| 2002年11月 | |||||||||
| 新刊のお知らせ | |||||||||
林ことみ著「ビーズニッティング」 文化出版局刊 ¥1,300
日本で初めてのビーズニッティングの本。昨年、林ことみがノルウェーで開かれたニットシンポジウムで習ったビーズニッティングのリストウォーマーを中心に、懐かしいビーズを編み込んだかぎ針編みのパースなど全37点を掲載。ビーズを編み込んだリストウォーマーは北欧でも大人気のアイテム。冬のおしゃれ小物にぴったりで、プレゼントにも喜ばれます。
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| 2002 ニットシンポジウム報告 | |||||||||
毎年北欧で開催されるニットシンポジウムに、今年も林ことみが参加しました。今年の開催地は、スウェーデンの北450kmのヘーネサンド。でもシンポジウムの前に、イエテボリに住んでいるニットデザイナー八田妙子さんに案内して頂いて、ダーラナの夏至祭を見に行くことにしました。でもその前にも寄るところが・・・
それはダーラナの近く、ダーラフローダ。
ダーラナの夏至祭はスウェーデンの中でも一番有名で観光客も沢山集まります。地元の人ばかりではなく、観光客の中にも自分の住んでいる地区の民族衣装を着ている人達がいます。よく見ると少しずつ違いがあり、みんな誇らしそう。手仕事を凝らした衣装は本当に見応えたっぷりでした。
今年のシンポジウムも去年と同じ様な寄宿舎のついた「フォルクスコーレ」でした。一年ぶりの懐かしい顔が揃っています。受付を済ませて寄宿舎に近づいたら私の名前を呼ぶ人が! なんと去年の講師だったエストニアのアヌー達です。シンポジウムの帰りにエストニアに行く事にしていたので早速アヌーに挨拶をして、部屋に入りました。
今年のコースはかなりマニアックな物が多く、悩んだのですが、私は“縮んでしまったセーターの再利用”を取りました。若い先生からいろいろなアイディアを貰い、それぞれ自分なりのリメイクにとりかかりました。私は去年から気になっていた、細長いボンボンの作り方を習って、大収穫でした。この作り方はそのうちどこかで紹介したいと思っています。ショートコースではメッタ・スティーナというヘーネサンド出身のニット製作者の編み込み技術を習いました(スウェーデン語ぺらぺらの八田妙子さんも参加したので、私は大助かりでした)
最終日恒例のマーケットでは私の春の新刊「和布で小物」を並べたのですが準備中に完売してしまい、当日は色々な出店を覗いて買い物をしました。9月に出した「ビーズニッティング」の本でも紹介した、ビーズを編み込んだリストウォーマーのキットを売っている出店もありました。このリストウォーマーは、スウェーデン国内に何軒もある手工芸店“ヘムスロイド”にもあって、流行っていることが伺われます。 こうしてシンポジウムを楽しく終えて、私と妙子さんはエストニアへ出発しました。 エストニアへの旅
去年から行きたかったエストニア。でもなにも分からないまま行くのは不安で、去年出会ったアヌー・コットリに案内を頼むことにしました。ストックホルムから飛行機で行けばすぐなのですが、フェリーでのんびり行くことにしました。夏の北欧の船旅は時間がゆっくり流れ、気持ちの安らぐ15時間でした。 首都タリンは小さな、落ち着きのある街です。城壁に囲まれた旧市街地は半日あればゆっくり歩いて回れるくらい。アヌーに若い工芸作家の工房のある一角や、小さなミュージアムを案内して貰いました。市内からちょっと離れたところに古い農家や民家を移築した公園にも行きましたが、ここのおみやげ物屋さんで売っていた“ハプサル”で作られた手編みショールにはその繊細さと値段に感激! 1エストニアクローネがだいたい8円弱で、400クローネ、ということは3,200円! 極細毛糸のレース編み(棒針)で、幅は40cm位長さ150cmというサイズですよ! もちろん買いました。
ヴィリャンディにミュージアムを持っているアヌー・ラウドのお宅には、ちょうどタリンに出てきていた彼女と一緒にバスで行きました。所要時間はタリンから2時間半。60頭の羊、2匹の犬と猫、そして92才のおかあさんとお手伝いさんが待つファームに着いたのは8時過ぎでした。新築したばかりというゲストハウスに泊めていただき、翌朝、歩いて5分程の所にあるヘイムタリミュージアムに行きました。
このミュージアムはもともと古い学校で、彼女が買い取って自分のコレクションを展示しています。古い手袋や靴下が一杯! それも興味深いものなのですが、綺麗な織物にこれ又綺麗な色使いのレース編みの縁取りをした布の切れ端のコレクションは目をみはるばかりです。タペストリー作家であるアヌーはタペストリー製作の他に学校の制服のセーターのデザインをしたり、若い作家を育てたりと大活躍。タリンのミュージアムにも作品が展示されていますし、ユニセフにも招かれたり、エストニアを代表するアーティストですが飾らない人柄がとってもチャーミング。ミュージアムでは子ども達にエストニアのニットの伝統を残すために自らもガイドをしています。彼女の自国の手仕事に対する情熱に感動した旅でした。
★エストニアのレポートは11月25日発売の「暮しの手帖」に載りますのでこちらも合わせてご覧下さい。 | |||||||||